Vibe Codingを2週間やってみたら、開発の感覚が変わった

「Vibe Coding」という言葉、最近やたら見かけませんか。ざっくり言うと「AIに自然言語でやりたいことを伝えて、雰囲気(Vibe)でコードを書いてもらう開発スタイル」のこと。2025年にAndrej Karpathyが提唱してバズり、2026年には実際にこのスタイルで開発する人が急増しています。実際に2週間試してみたので、体験ベースでまとめます。

Vibe Codingとは何なのか

従来のプログラミングは「文法を覚えて、ロジックを組み立てて、1行ずつコードを書く」ものでした。Vibe Codingはそれを根本から変えます。

やることはシンプル。

  1. 作りたいものを自然言語で説明する
  2. AIがコードを生成する
  3. 動かしてみる
  4. うまくいかなければ「ここをこう直して」とまた自然言語で伝える
  5. 繰り返す

コードの細部を自分で書かない。全体の方向性とフィードバックだけ人間が担当する。映画でいうと、脚本を書くんじゃなくてディレクションする感覚に近いです。

実際にVibe Codingで何を作ったか

Day 1-3:ブログのRSSリーダーアプリ

CursorのComposerに「RSSフィードを複数登録して、新着記事を時系列で一覧表示するWebアプリを作って。Next.js + Tailwind CSSで」と投げました。10分後にはローカルで動くアプリができていました。

正直、自分で書いたら半日はかかる内容。ただし、OGP画像の取得でCORSエラーが出たので「サーバーサイドでfetchしてプロキシする形に変えて」と追加指示。こういう「動かしてみて、直す」のサイクルがVibe Codingの肝です。

Day 4-7:SlackボットでAI要約

「Slackのチャンネルに投稿されたURLの内容をClaude APIで要約して、スレッドに返信するボットを作って」と指示。AWS Lambda + API Gatewayの構成で、Slack App設定の手順まで含めて出力してくれました。

ここで学んだのは、指示の粒度の大事さ。最初に「Slackボット作って」だけだと漠然としすぎて、AIもふわっとした実装を返してくる。「どのフレームワークで」「どのインフラで」「どういうトリガーで」まで伝えると精度が段違いに上がりました。

Day 8-14:社内ツールのダッシュボード

ここが一番チャレンジングでした。既存のAPIからデータを取得して、グラフと表で可視化するダッシュボード。コンポーネントが増えてくると、AIが以前の文脈を忘れてスタイルが統一されなくなる問題が出ました。

対策として、最初にデザインシステム(使う色、フォント、コンポーネントの命名規則)をMarkdownで定義して、毎回の指示に添付するようにしました。AIにとっての「スタイルガイド」を用意してあげるイメージです。

Vibe Codingで生産性が上がるパターン・下がるパターン

向いている場面

  • プロトタイプ・MVP:とにかく早く動くものを作りたいとき。精度より速度が大事な場面
  • 使い慣れていない技術:「React触ったことないけどUI作りたい」みたいなとき。学習コストをAIが吸収してくれる
  • 定型的なCRUDアプリ:認証・データベース・API・UIの定番構成は、AIが大量に学習済み

向いていない場面

  • パフォーマンスが命の処理:ミリ秒単位の最適化はAIに雰囲気で任せられない
  • セキュリティが最重要な部分:認証・暗号化・入力検証は人間の目で確認すべき
  • 既存の大規模コードベースの修正:文脈が多すぎてAIの精度が落ちやすい(ここはOpus 4.6の1Mコンテキストで改善されつつある)

Vibe Codingを始めるための環境

# おすすめ環境
# 1. Cursor(もっともVibe Coding向き。Composer機能が強力)
#    https://cursor.com からダウンロード

# 2. Claude Code(ターミナル派向け)
#    npm install -g @anthropic-ai/claude-code

# 3. GitHub Copilot + VS Code(導入ハードル最低)
#    VS Codeの拡張機能からインストール

個人的にはCursorが一番Vibe Codingと相性が良いと感じました。Composerでプロジェクト全体を見渡しながら指示を出せるのが大きいです。

よくある質問

ある程度はできます。ただし、AIが書いたコードが正しいか判断できないと、バグや脆弱性を見落とします。「コードは読めるけど、ゼロから書くのは面倒」くらいの人がもっとも恩恵を受けるレベル感です。完全な非エンジニアが使うなら、プロトタイプ止まりと割り切ったほうが安全です。

そのままでは厳しいことが多いです。テスト・エラーハンドリング・ログ出力・セキュリティ対策が甘くなりがち。Vibeで素早くプロトタイプを作り、レビューとテストを丁寧にやって本番品質に仕上げる、という2段階が現実的です。

ノーコードはGUIで組み立てるので、ツールが用意したパーツの範囲内でしか作れません。Vibe Codingは実際のコードが生成されるので、自由度は段違いです。生成されたコードを直接編集できるので、ノーコードで詰まるカスタマイズ性の壁がありません。

まとめ

  • Vibe Codingは自然言語でAIに指示してコードを書かせる開発スタイル
  • プロトタイプやMVPの速度が劇的に上がる一方、セキュリティやパフォーマンスが重要な部分には不向き
  • 指示の粒度とデザインシステムの事前定義が品質を左右する
  • CursorのComposer機能がVibe Codingともっとも相性が良い

参考: Cursor公式ブログ

K
AWS・Python・生成AIを専門とするソフトウェアエンジニア。AI・クラウド・開発ワークフローの実践ガイドを執筆しています。詳しく見る →