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GPT-5.4・Claude Opus 4.6・Gemini 3.1 Proを実際に使って比べてみた
2026年3月、たった2週間のあいだにOpenAI・Anthropic・Google DeepMindがフラグシップモデルを立て続けにリリースしました。正直「どれ使えばいいの?」状態の人が多いと思います。この記事では、ベンチマークの数字だけでなく、実際に触ってみた感触も交えて3モデルを比較します。
3行でわかる結論
先に結論を書いておきます。
- コーディング重視 → Claude Opus 4.6(SWE-bench 81.4%。長いコードの文脈理解が段違い)
- 知識ワーク・PC操作の自動化 → GPT-5.4(OSWorldで人間超え。デスクトップ操作まで任せられる)
- コスパ重視・大量処理 → Gemini 3.1 Pro($2/$12で1Mトークン。抽象推論GPQAも最高スコア)
「万能な1モデル」はもう存在しません。用途で使い分ける時代に入りました。
ベンチマークを読み解く
数字の羅列を見ても分かりにくいので、ポイントだけ抜き出します。
コーディング(SWE-bench Verified)
Claude Opus 4.6が81.4%でトップ。Gemini 3.1 Proが80.6%で肉薄。GPT-5.4は公称値でやや下回るものの、Terminal-Bench 2.0(ターミナル操作を伴うタスク)では75.1%でダントツ1位です。つまり「コードを書く」だけならClaudeが強く、「ターミナルで一連の作業を完遂する」ならGPTが強い。
抽象推論(GPQA Diamond)
Gemini 3.1 Proが94.3%で首位。GPT-5.4が92.8%、Opus 4.6が91.3%。科学論文レベルの複雑な問題でGeminiが頭ひとつ抜けています。研究やデータ分析用途ではGeminiに分がありそうです。
実務タスク(GDPval)
GPT-5.4が83%で、44の専門職と同等のパフォーマンス。法律文書のレビュー、財務分析、マーケティング戦略の立案まで、幅広い知識ワークをこなせるという評価です。ホワイトカラー業務の自動化ではGPTが一歩リードしています。
触ってみた正直な感想
Claude Opus 4.6:コードの「理解力」がエグい
1Mトークンのコンテキストウィンドウが効いていて、大規模リポジトリを丸ごと読ませたときの精度が他と明らかに違います。「このリポジトリの認証フローを説明して、セキュリティ上の懸念があれば指摘して」みたいな質問に対して、ファイル間の依存関係まで追ったうえで答えてくれる。コードレビューやリファクタリングの相棒としては現状最強だと感じました。
弱点は速度。思考が深い分、レスポンスに時間がかかります。チャットでサクサク使いたいときには少しもどかしい。
GPT-5.4:「考えてから動く」が自然
GPT-5.4 Thinkingモードでは、内部で推論チェーンを回してから回答を生成します。複雑な問題でも「あ、ちゃんと段階踏んで考えてるな」と分かる出力が出てきます。特にComputer Use(PCのデスクトップ操作)の精度が人間を超えたのは衝撃でした。「このスプレッドシートのデータをグラフにして、スライドに貼り付けて」みたいなタスクを本当にやってのける。
弱点はコスト。Thinkingモードだとトークン消費が跳ね上がるので、大量のバッチ処理には向きません。
Gemini 3.1 Pro:コスパの鬼
入力$2/1Mトークンは破格。しかも性能はSWE-benchで80.6%とフラグシップ級。「予算に限りがあるけど品質は妥協したくない」という場面ではGemini一択です。Flash-Liteバリアントを使えばさらに安く、日常的な質問応答やドキュメント要約にはこれで十分。
弱点は日本語の微妙なニュアンス。英語圏のタスクでは問題ないですが、日本語の敬語の使い分けや文脈に依存する表現は、ClaudeやGPTのほうが自然に感じる場面がまだあります。
用途別おすすめ早見表
迷ったらこの表を見てください。
用途 おすすめ 理由
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コードレビュー Claude Opus 4.6 文脈理解◎、1Mコンテキスト
新規実装(ターミナル) GPT-5.4 Terminal-Bench首位
データ分析・研究 Gemini 3.1 Pro GPQA最高スコア、コスパ◎
大量バッチ処理 Gemini 3.1 Flash 最安、速度◎
デスクトップ自動化 GPT-5.4 OSWorld人間超え
日本語ライティング Claude Opus 4.6 日本語の自然さ◎
予算最優先 Gemini 3.1 Pro $2/1Mトークン
API料金の比較
2026年3月時点の公式料金(1Mトークンあたり)です。
モデル 入力 出力 コンテキスト
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Claude Opus 4.6 $15.00 $75.00 1M tokens
GPT-5.4 $12.00 $60.00 1M tokens
GPT-5.4 Thinking $20.00 $80.00 1M tokens
Gemini 3.1 Pro $2.00 $12.00 1M tokens
Gemini 3.1 Flash $0.15 $0.60 1M tokens
Geminiの安さが際立ちます。Opus 4.6は高いですが、コーディング特化で使うなら1回の指示で大きな成果を出してくれるので、結果的に割安になることも多いです。
よくある質問
「最強」は用途次第です。料理に例えると、包丁・フライパン・オーブンのどれが最強かという話で、作るものによって最適な道具は変わります。個人的には、メインでClaude Opus 4.6を使いつつ、コスパが必要な場面でGeminiに切り替えるスタイルに落ち着いています。
オープンウェイトとしては驚異的な性能です。ただし1兆パラメータなのでローカル実行にはかなりのGPUが必要。API経由で使う分には十分選択肢に入りますが、エコシステムの成熟度ではまだ3大モデルに一歩及ばない印象です。
間違いなく変わります。半年前の「最新モデル比較」を読み返すと笑えるくらい状況が動いています。ただ「用途で使い分ける」という基本方針はしばらく変わらないでしょう。全勝するモデルはもう出てこないと思います。
まとめ
- 2026年3月、GPT-5.4・Claude Opus 4.6・Gemini 3.1 Proが同時期にリリースされた
- コーディングはClaude、知識ワークはGPT、コスパはGeminiとそれぞれ得意分野が分かれている
- 「万能な1モデル」を探すより、用途に応じて使い分けるのが正解
- API料金はGeminiが圧倒的に安く、大量処理やスタートアップに向いている
参考: MindStudio - GPT-5.4 vs Claude Opus 4.6 vs Gemini 3.1 Pro Benchmark比較